×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
与えられた傷が深ければ深いほど、善意と同情でさえも更に傷を抉る、ということを私は学んでいた。
~3~
小説内小説の著者が、小学生で少女だった頃の自分の思想描写として書いた一文。
俺も、壁に閉じこもったことがある。
第一の壁は、自分が閉じこもるために自分で作った。
それでも、その時の心境なんてものは、ずいぶん前に忘れてしまっている。
それでも、思い起こせば、俺の壁にはドアがついてて、出入りが出来る人間もいたんだと思う。
結局彼等は俺の思い通りにはならずに気付けばいなくなったけれど、その頃の壁には亀裂が入り出して、俺はドア以外から入って来る人間の相手も出来るようになっていた。
そう考えると、彼等は彼等の意思でいなくなったのではなく、俺が彼等を追いやったんだろうとも思う。
でも、だからこそ、大したダメージもなくのうのうと暮らしてこられた。
次の壁は全く異質のもの。
第二の壁は、何かを拒絶するために自ら築いたものではない。
自分の意にそぐわないものは壁に囲まれているとみなしたのだ。
想像したのだ。
空想の産物なのだ。
その壁は、未だに堅牢を保ち、普段は俺の生活の目にすらあまり触れることがない。
今となっては、目に触れたところで無視が出来ると思えるほどになっている。
そうやって、歳をとってきたから、「ちょっと変だよ」「おかしいよ」と言われるのだろうか。
そればっかりは、自分をおかしいと思わないので、さっぱり想像すら出来ないが、あなたの心理を考えるとき、少しわかりそうな気もする。
あなたの心理。
それすら、私の想像だということは、重々承知しているけれど、想像をやめることは、まだ暫く出来ないだろうと思う。
そして、もう見ていないかもしれないと思っても、あまり痛みはない。
寂しくはあるけれど、私はあなたを駄目にしてしまうかもしれないと思ったりもするから、仕方なく納得している。
少なくともここ数日は。
タイトルの小説は、人間の想像力とはなんと恐ろしいものだろうか、と思わせる小説。
人は、死ぬまで真相を口にせず、事件は永遠に謎のままなのだろうか、という考えに行きつくと、やはり少し寂しい。
先生ほんとにすいませんでした。でも、私のことはゆるしてくれなくてもいいです。私も先生をゆるさないと思います。
~冒頭/安倍川健治の手紙~
ケンジ、私も許しを請わないよ。
~6~
「“ゆるさない”の言葉はなぜかわからないけれど思わず書いてしまったもので、自分でも意味がよくわからなかった。わからないから何回か消しかけたんですが、わからないのに出てきてしまったからこそ物語の棘として」残しておいた。
~解説/斎藤環:著者インタビューより抜粋~
そういうの、わかる。
俺は感受性がすごく強いほうではないし、そういった人物に出会うと自分の中に芽生える小さな小さな嫉妬心に気付き自己嫌悪をするけれど、世に名の知れた人物の感覚に親しみを覚えることは少なくない。
この本は解説も良かった。
PR
COMMENT
Calendar
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
My...
Name:
Dog-R
Age:
42
Sex:
男性
Birthday:
1982/03/01
Link
Coments
[08/28 inrgpgtcxl]
[08/27 szbmoukhjj]
[08/27 vqihmoigot]
[08/27 gveaghzvrn]
[08/27 wtbwwgamff]
[08/27 vyxpyqatnz]
[08/27 osukaigpep]
[08/27 miedeqldsf]
[08/27 osxxdtikra]
[08/27 gsrfmzgbyx]
Category
Archive
カウンター
アクセス解析