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泣き所の引っ張りがやや足りない気がしたものの、けっこう楽しめた映画。
というか、年々振りだかわからない位久し振りの映画館だった。
音、やはり重要だな、と。
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PAPER SKY No.9

という雑誌に掲載されていた小説。
感心したのは小説だけにあらず、なかなか面白い雑誌だった。
探して買おうとまでは思わないが、古本屋で出会ったならば、必ず手に取り持ち帰るであろう雑誌。

さて、エントリータイトルの小説は、いったい長編の抜粋なのか、連載の一部なのか、詳細は不明。
掲載されていたところは「活動家であったらしい男が、時代に置き去りにされても尚、何か行動を起こそうと静かにとある街を歩き回る」という部分。

浮浪者と化した元活動家らしき男。
富んでいるとは決して言えない生活の最中、一種の輝きを眺めて生きていくのであった。
という話なのか、その後改めて何かの行動を起こすのであった。
と続くのかどうかは謎。

設定によるところが大きいのだと思うが、なかなか綺麗で醜悪な文章だった。
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2巻だけ読んだ。
全2巻。

久々にまともに読んだ漫画。
5回位うるっときた。
何がそうさせたのかという掴み所のない作品。
絵なのか、温かな言葉尻なのか、全体の雰囲気なのか。
なんだか、人間の心の揺らぎを描ききっている気がした。

その後、マスターK林と話した内容がまた濃かった。

佳那に言われて、食い違ったことのある部分。
なぜ、もっと多くの人(1000人とか10000人とか)に見てもらおうと思わないのか。
なぜ、小さな空間(20人とか50人とか)で満足できるのか。

MSTに言われて、何だか納得出来なかった部分。
なぜ、そんなに多くの人(20人とか50人とか)に見てもらいたいのか。
なぜ、小さな世界(1人)で満足できないのか。

それらが、すっかり明確な答えに繋がった気のする夜。

そうか。
だから、1人で良かったんだ。
1人で良いんだ。
そういった納得が嵐のように襲い、そのあとに、嬉しさを伴った納得がやってきた。

マスター。
熱い。
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他人という自然な風を受けないと、人間だって腐るんだから。
と、主人公の女子高生に語るキャプテンEO。
スタンガンやケミカルメスを使い売りの女から金を奪い去るキャプテンEO。

援助交際を叱るではなく、ただ漠然と外から眺め、作品を、牙城を築く村上龍。
そういう作品。

秀作。
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短編八編。
とても良い本だと思った。

どこかの文章を抜粋して、どうのこうのと能書きを垂れるのが、恥ずかしくなる位。
抜粋をするとすれば、以下の部分だ。

アフリカや南米やシベリアという「未知の土地」に~中略~旅立っていった。~中略~日本の近代化から遠ざかるということで、基本的にロマンチックな行為だった。
近代化を達成したあとの日本社会には、アフリカだろうが南米だろうが情報があふれていて、それらの土地に旅立つだけではロマンチシズムは得られない。現代の出発は、閉塞して充実感を得られない日本社会からの戦略的な逃避でなければならない。
~あとがきより~

この文章が発表されたのが、2003年。
2009年となった現在、周りを見回してどうかと問えば、それなりの答えが用意できる気がする。

俺が思うことは、何も海外に行かなくても、ロマンチシズムは満喫できるということだ。
海外。
海外へ行けば、何かが見つかるとでもいうのか。
海外へ行けば、本当の自分が見つかるとでもいうのか。
糞食らえ。
てめぇが何を為すかによって、そいつの人生は決まると思う。
拓くも開かないも己次第。
誰も助けてなんてくれないから、国にも、親にも泣きつかない。
それが俺だ。

決して、甘えているわけではないし、親がいなくても、生きてこられたという意味ではない。
ただ、ただ、俺は俺なんだと、大きな声で言いたいだけなんだ。

付け加えるが、俺は、海外を否定する者ではない。
外へ出て成長しているんだろうなと思わせる奴を何人も知っている。
それと同じ位、海外へ行かなくても、しっかりと成長している奴を知っているというだけの話だ。
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「自分で死ぬ奴は身勝手の極地です。忘れるしかない。自分を痛めつけることはない」
か。

メタファーの積み重ねから何かを見せ、物語も忌憚なく進めていく才。

死体写真愛好家・ボンテージ・ネオナチ・探偵・ヤクザ等。
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久し振りに読んだ、こういう系の本。
陰謀説。
騙され易い性質だからなのか、かなり信じてしまう。
というか、それこそが真実な気がする。
そうでなければ、世の中は彼らの思い通りに進みすぎている。

こういった本は前職で大分目を通してきたが、ではどうすれば良いのか」という結論に「地域通貨」を持ち出した本は始めて読んだ。

目には目を方式の本はよく目にするが、その点この本は例外。

そして、内容は、俺が前職を辞めた理由の全てが書いてあると言っても過言ではない。

わかり易かったのは以下の小噺。

~以下、抜粋要約~

ある村では、100人の村人が平和に自給自足と物々交換で暮らしていた。
誰もが、狩をし、釣りをし、器を作り、農業を営んでいた。

そこへ、1人の男が現れ、村人にある提案をする。
「君たちにお金を渡そう。1人に10万ずつだ。そして、狩の得意な者は肉屋を営んで、釣りの得意な者は魚屋を経営する。手先の器用なものは…。」
それだけ言い置き、男は村を後にする。

1年後、男はまた村を訪れる。
その頃には、村人は自分の得意なことをして活かして楽な生活をしていた。
男は言う。
「お金は便利でしょう。実は私は銀行家です。1年前、皆に10万ずつ金を貸しました。来年また来ますので、それまでに1万の利子をつけて11万を私に返しなさい。返せない場合には店を没収します。」
そう言って男は村を去った。

お金のある生活に慣れた村人に、昔の自給自足の生活に戻る気は無い。
そして、お金を貸してくれた銀行家に利子を払うことも当然だと考えた。
そして、普段の生活に戻った。

しかし、銀行化が村を三度訪れる時期が近づくにつれて、手元のお金が気になりだす。
すでに11万持っているものは、なるべく使わないように、或は、少しでも上積みをしようと考える。
11万を持たないものは、不足分をなんとか稼ぎ出そうと考える。

『仕事の目的は、人々が必要とするものを提供するという目的から、お金を稼ぐことに変化した』

三度銀行家が村を訪れる。
そして言う。
「さぁ、皆さん11万を返してください。」
そもそも、銀行家は100人に対して10万を貸したのだから、この村に1000万のお金しかない。
しかし、銀行家は1100万のお金を返済しろと迫っている。
当然、返せない者が出てくる。
彼らが負け組みだ。
負け組みに対して銀行家はこう言い放つ。
「また、お金を貸してもいいが、皆さんは商売が下手なようだ。リスクが高いので、今度は年利を倍の2割にします。1年後にまた来ますのでそれまでに12万の金を用意してくださいね。そして、来年返済できない場合には、本当に店の権利を貰いますよ。」
と。

~以上、抜粋要約~

Fxxkだ。

因みに、この本の最終的な結論は地域通貨を浸透させ、食料の自給自足を始めなければならないということだった。
1年前、そんなことを言っていた男は地に落ちたかのようだ。
3年前、そんなことを言っていた男は必ず連絡するからと言い、もう3年連絡が無い。
やはり自分でやらなければ駄目か、と思う。

それを実現するには、やはり政治力と金が欲しい。
理想と現実のギャップと、どっちつかずな天秤は両の腕が非常に重く、へし折れそうだ。
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ミュージカル・SEX・ポップスからドリーム。

素直すぎて、訳がわからなくなり、最後は喜劇的に終わる。
こういうアップダウン良い。
登場人物は、尖っていて、ともすれば、自分自身も痛みを覚えながらも、前に進むパワーがある。
サリンジャーを皮肉る演出。
自らを救ったのは、自らのパワーに他ならない。

こうなりたいけど、年齢が許さないなんて考え方はあまり好きじゃない。
それでも、具体的にこの本みたいになったら、年齢的にどうなんだという考えに真っ先に行き着くだろう。
抽象的な意味で、こちら側からそちら側へ移りたいと思う。
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このてのオドオドした中国系の人を見ると南京大虐殺を懐かしく思い出してしまう。
~P.111~
~シンガポール 2 本間萌子~

自然なものなんかありはしない、もし社会的なものでこれが自然だっていうのがあったら教えてよ、萌子の口癖だ。
~P.181~
お前は気付いていないんだ、わたしが知る限り才能というのは過剰ではなくて欠落だ、ありとあらゆる能力を使ってその欠落を埋めようとする、それが表現なんだ~以下略~
~P.187~
~シンガポール フレーザーヒル 1 狩谷俊道~

なんという、刺激的で理想的な女性像。
俺は、もしかしたら、そういう女に、愛という名の元に、打ち殺して欲しいのかもしれないと、思うと、興奮が肌を粟立たせその直後に苦笑する。
ホントにそういう女が現れたら、俺は逃げ腰及び腰だろうなと。
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誰もが、他の命を奪わずには生きていかれない世界。
それは、自然の中であれば当然のことなのにも関わらず、自分は潔癖だと言うかのように生きている人間。
その、不思議を描いた作品。

俺は、不思議と思わない。
人は、鳥や豚や牛や魚は言うに及ばず、人は人を殺して生きていると思っている。
俺が、こうして、電気を使いPCを起動して、ストーブに当たって、煙草をふかして、酒を飲んでいられるのも、この世の何処かで人が死んでいるからだと思う。
俺が働かずに餓死でもすれば、俺の変わりに働いて、給与を貰えて、食べることが出来る人が少なくとも一人増える。
それと同時に、俺は電気代を支払い、PCを起動し、ストーブをつけ、コンビニに金を落とし、煙草と酒を買う。
その金は循環し、何処かの誰かの給与になる。

幼少の頃から、働きに出て、燃料を世界に供給したがために、宝石を採掘したがために、経済社会に置いていかれ、満足な飯にありつけない人が居る。
そいつらは死ぬ。

可哀想。
とはあまり思わない。
可哀想だけど、俺に出来ることはない。
電気を使わない、わけにはいかない。
なぜなら、電気の利便性を知っているから。

いや。
少し違う。
電気はなくても大丈夫かもしれないが、電気を使わないことによって、具体的に人を助けたという実感が得られるわけではないからだ。
自己犠牲によって自尊心を高めるには、あまりに弱々しいものだから、電気を使わないという選択をしない。
そういうことだ。

誰が俺を責められよう。
俺は、気付かぬ振りなんてしたくはない。

そう、再考させられた一冊。
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俺が手に取った表紙のjpegが落ちていなかったので、適当なものを流用。

二重人格を題材とした物語として有名だが、人間全てが、多面性のある生物だと認識し、精神病的な物事については、ほぼ全てが捏造であるような気がする俺にとっては、人間の表裏についてを描いた作品として写った。
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2003年刊行の本。
6年前というと、俺は20か21。
クラブなどで、高校生と思しき男女と話していても、何かズレのようなものを感じた時期。
その違和感をそのまま描いたような作品。

寂しくて、寂しくて、寂しくて。
悩んで、悩んで、悩んで。
弱いことを知って、強くなって、それでも答えは見つからなくて、もっと強いものを見つけて、自分の弱さを目の当たりにしたり。

例えば、答えが見つからないという答えや、答えがないという答えを受け入れられない感覚。

それらをひた隠しにしようと、元気を装ったり、馬鹿を装ったり、色々してみる年頃か。
そんな時もあったな。
そんな奴も居たな。
という思いにさせられる本。
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藤沢周、初めて読んだ。
結構好きか知れない。

分断されているようで、継続している文章(節)を繋ぎとめながら読む。
バラバラではないパズル。

体の中、心の中の檻に閉じこもるではなく、体の外(皮膚)に檻を設けて、自分を自分のものとする作業。
その発想はなかった。

しかし、表紙絵が酷い。
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思い出トランプ
思い出とランプ
短編13編。

「かわうそ」
有栖川の朝/久世光彦を想起した。
獺ってのは、随分妙な生き物のようだ。
昔はもっと人に近いところへ住んでいたのだろうか。
俺は動物園で見たことがあるかないかくらいの印象しかないが、見せびらかすために魚を乱獲してみたりと妙な習性をもつことが広く知られているようだ。
そう聞くと、まるで人間のようだと思う。
抜け目がなく、何処かコミカルなキャラクターがそう渾名される物語は、これで2作目。
次の獺は、本屋の棚の何処に潜んでいるのだろうか。

女の物差は25年経っても変わらないが、男の目盛りは大きくなる。
~花の名前~

そんなものだろうか。
26年しか生きていない俺には、当然実感がない。

解説に、ジャンル分けのしづらい作家だと書かれているが、現代社会は物語に限らずそんなものばかりな気がする。
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黒部の羆
灰色の北壁
雪の慰霊碑
の3編を収録。

学生の頃貪るように読んだ小説家。
真保裕一。

精神的な部分の描写力に長けた作家ではないのだろうが、人間ドラマを描くのが上手いと思っている。
人間交差点の数倍の重厚感がある。
気がする。

そして、よくもこんなにも折り重なったミステリー性のあるストーリーを思いつき、形に出来るものだと感嘆させられる。
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